椎名林檎嬢のバンドデビュー第一弾アルバムです。

1、林檎の唄
「椎名林檎」クレジットで発売された同音タイトルのシングル「りんごのうた」の東京事変Ver.です。
シングルのときは、アコースティックな楽器を多用した割りとスローテンポな哀愁漂うしっとりした曲だったのですが、こちらではベースうねんうねんのギターじゃっかじゃっかのシンバルしゃーんしゃーんな曲にアレンジされています。
この1曲をこのアレンジにすることによって、この東京事変というバンドで林檎嬢が何をやりたいのか,このバンドの思想はどのようなものであるのか、それらが圧倒的な存在感をもって提示されています。

2、群青日和
3、入水願い
冒頭のエロティックベースはもはや私の理解を超えて、本能的な部分を支配します。最高のゆらぎ。冷たい滞った水に全身を浸す感覚。それに追い討ちをかけるようにピアノの冷たい音色(おんしょく)が透き通った悲しさを付加します。
サビから音数も増え、停滞から流動にモードが変わっても拭い切れない陰鬱な雰囲気は、やはり師匠のベースから漂いくるのでしょう。
サビの終わりに切なくゆれて消える姫の歌声も絶品です。この曲の持ち味であるメランコリックエロティシズムは、ラストの「殺って」という漢字の使用法にすべて集約されます。

4、遭難
5、クロール
歯に衣着せぬどストレートな物言いが林檎的で私は好きです。
ギターのピックスクラッチがいちいちクールです。

6、現実に於いて
7、現実を嗤う
8、サービス
9、駅前
10、御祭り騒ぎ
11、母国情緒
サンバホイッスル使用。バスドラム使用。クラッシュシンバル使用。
明るいなかに夕暮れの情感が滲むマーチです。
楽しい。

12、夢のあと
ピアノカデンツァからはじまるスローテンポ叙情曲です。
世界平和をうたった曲なのでしょうか。
ふたりだけの愛をうたった曲なのでしょうか。
これらは二律背反するものではないということを、最大級の切なさをもって訴えかけてきます。

総じて、「生音」「バンドサウンド」にとことんこだわった名盤です。恐らくほとんどのトラックが、重ね録り・修正ナシの一発勝負。それでも他の追随を許さないクオリティの高さは、まさに職人集団。
生って最高です。

教育

    
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